YOKOHAMA
使用済みタイヤをリサイクルした道路で騒音を10分の1に低減。新しい舗装技術「多機能型弾性舗装」って?
――――― 道路って普段は意識しにくいものですから、そこにゴムや樹脂が使われてるって、ちょっと驚きです。
(Y)使っているゴムはもともとトラックやバスのタイヤですから、それを道路の材料にすることで、リサイクルに貢献しているというわけです。
――――― トラックやバスのタイヤって、大きいですよね。細かく砕くのは大変じゃないですか。
(Y)そこは専門の協力会社で行っていますが、大きいタイヤはゴムチップがたくさんできるんですよ。ゴムの品質も道路にちょうどいい。でもタイヤの中には金属や繊維があって、それを取り除くのにいろいろ工夫が必要なんです。金属は磁石で吸い付けたり、繊維は風で吹き飛ばしたり。

「騒音を小さくするほか、いろんな機能をもった道路なんです」

――――― なるほど。タイヤをリサイクルするのにも創意工夫が必要と。そうして生まれた舗装ですが、どんなメリットがあるんですか?
(Y)まず、環境問題のひとつである騒音を小さくできます。一般的な密粒度アスファルト舗装に比べて音を約10分の1に抑えます。これは従来の「排水性舗装」の4?5倍効果が高いんです。水はけもいいですし、冬場は路面が凍結しにくいのも特長です。あと夏場に大型トラックなどが通ってできやすい「わだち」も発生しないから、耐久性も期待できます。つまり、いろいろな機能を備えているわけなんです。
――――― だから「多機能」な道路なんですね。耐久性が期待できるということは、リデュースにもつながりますね。
(Y)その通りです。耐久性が高ければ工事が減ります。そうすると工事に新しい素材を使ったりすることも減りますから、結果的に環境にいいんです。
――――― テスト施工後、自治体などからの問い合わせが多いとか。
(Y)発表から4ヶ月程ですが、50件以上の団体からお問い合わせや見学のお申込みがありました。特に道路の騒音低減という点で注目していただいて、いまもお問い合わせのご連絡をいただく状況は続いています。そうした反響にお応えするためにも、今回のテスト施工の結果を踏まえて、さらなる品質の向上に努めたいと思っています。
――――― トラックやバスのタイヤがリサイクルで生まれ変わって、今度は現代の大きな環境問題である道路の騒音を減らす側に回る。この関係が面白いですね。この舗装、ぜひ普及してほしいです。本日はお忙しいところありがとうございました。
photoBACK